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1人あたり利益の大きさの捉え方 img

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1人あたり利益は、社員1人が、どれだけの利益を生み出しているかを表す数字です。利益の総額は会社の規模によって大きく変わりますが、1人あたりで見ると、その会社が、少ない人数で大きな価値を生み出せる事業や仕組みを持っているかどうかが分かります。そして、その利益は、社員の給与や教育、新しい挑戦に回すお金の元になります。
このページでは、1人あたり利益が何を示し、何を示さないのか、何と組み合わせて見ればよいのかを説明します。

利益が同じでも、社員数で割ると差が見える

連結1人あたり営業利益とは、グループ全体の連結営業利益を、連結社員数で割った数字です。グループ全体で、社員1人あたりどれだけの営業利益を生み出しているかを示します。

例えば、同じ営業利益100億円でも、社員1万人のA社は1人あたり利益100万円、社員1,000人のB社は1人あたり利益1000万円です。

営業利益

同じ

100億円A社
100億円B社

社員数

A社が10倍

1万人A社
1,000人B社

1人あたり営業利益

B社が10倍

100万円A社
1000万円B社

全体の利益額は同じでも、B社の社員1人あたりが生み出している利益は、A社の10倍です。

1人あたり利益が高い背景には、商品力、提案力、技術、ブランド、システム、効率的な事業運営などがあります。社員個人の能力だけではなく、社員が高い付加価値を生み出せる事業や仕組みを持っていることの表れです。

また、同じ1人あたり利益でも、平均年齢40歳の組織で生み出しているのか、28歳の組織で生み出しているのかで、意味は大きく変わります。

経験を積んだ社員が中心の組織であれば、高い1人あたり利益は、長年の経験の積み重ねによるものとも考えられます。一方、若い社員が中心の組織で同じ水準を出しているなら、経験の長さに頼らなくても成果が出る仕組みがあることを示します。1人あたり利益を見るときは、社員の平均年齢もあわせて確認してください。

比べるときは、連結の数字どうしでそろえる

単体の営業利益を単体の社員数で割ると、持株会社などでは、少人数で巨額の利益を生み出しているように見える場合があります。企業グループ全体の生産性を比較するには、営業利益と社員数の双方を連結基準にそろえる必要があります。

また、業務の外注比率、設備投資の大きさ、労働集約度によっても差が生じます。外注を多く使う会社は、自社の社員数が少なくなるため、1人あたり利益が高く見えます。業種やビジネスモデルにも着目する必要があります。

日経225構成銘柄のうち、連結営業利益と連結従業員数を共通基準で確認できた企業では、連結1人あたり営業利益の中央値(※)は576万円です。日経225とは、東京証券取引所プライム市場に上場する企業から選ばれた225社(日経平均株価の構成銘柄)であり、トヨタ自動車、ソニーグループ、任天堂、三菱商事、ファーストリテイリング(ユニクロ)など、各業種を代表する企業で構成されます。国内の上場企業は約4,100社あり、日経225はその約5%にあたります。つまり中央値576万円は、日本を代表する企業群の真ん中の水準です。

※中央値:各社の数値を小さい順に並べたときに、真ん中にくる値です。平均値と違い、極端に大きい会社や小さい会社の影響を受けにくくなります。

1人あたり利益は、組織の生産性と還元の余力を表す

売上高営業利益率が「売上の質」を示すとすれば、1人あたり利益は「組織の生産性」を示す数字です。1人あたり利益には、次の2つの意味があります。

01社員1人あたりの生産性を表す

1人あたり利益が高い企業は、商品力、提案力、技術、システムなどによって、少ない人数で大きな価値を生み出せています。

02社員に還元・投資できる余力を表す

営業利益は、社員の給与など、本業にかかった費用を支払った後に残る利益です。したがって、1人あたり利益が高いほど、給与、教育、制度、新たな挑戦などに資金を配分できる基礎的な収益力は高くなります。ただし、実際の投資余力は、営業キャッシュフロー、設備投資、借入金なども含めて確認する必要があります。

また、利益が実際に社員へ還元されているかは、平均給与などと組み合わせて判断する必要があります。

よくある質問

  • 1人あたり売上高と1人あたり利益は、どちらを見ればよいでしょうか。

    生み出した価値に近いのは、1人あたり利益です。売上高は、取引額全体を計上するか手数料だけを計上するかで大きく変わるためです(例①を参照)。両方を並べると、その差から、仕入れや外注にどれだけ費用がかかっている事業かも見えてきます。

  • 社員数には、誰が含まれますか。

    会社によって異なります。有価証券報告書の「従業員の状況」では、正社員などの従業員数と、パートや派遣社員などの臨時従業員数が分けて記載されています。臨時従業員を含めるかどうかで1人あたりの数字は大きく変わるため、比べるときは同じ定義の数字をそろえてください。

  • 1人あたり利益が高い会社は、給与も高いのでしょうか。

    高い給与を支払える基礎はありますが、実際にどれだけ社員に配分しているかは別の話です。平均給与や、年齢・成果ごとの給与の分布と組み合わせて見る必要があります。

  • 労働分配率が低い会社は、給与も低いのでしょうか。

    いいえ。労働分配率が高いか低いかで、給与が高いかどうかは決まりません。

    労働分配率は、会社が生み出した付加価値のうち、人件費に回した割合です。ここでは簡単に、付加価値を「営業利益+人件費」とします。割合なので、付加価値が大きい会社では、給与を高くしても労働分配率は低くなります。

    例えば、社員100人のA社とB社があるとします。A社は営業利益5億円、平均年収700万円で、労働分配率は58%です。B社は営業利益100億円、平均年収2000万円で、労働分配率は17%です。労働分配率はA社の方が高いものの、平均年収はB社の方が約2.9倍です。

    1人あたり利益が高い会社ほど、労働分配率は低く出やすくなります。給与が高いかどうかは、労働分配率ではなく、給与の金額そのものと、成果を上げた人が何歳でどの給与水準に届いているかで確認してください(例③を参照)。

  • 1人あたり利益は、どこで確認できますか。

    上場企業であれば、有価証券報告書の連結損益計算書にある営業利益を、「従業員の状況」にある連結従業員数で割って計算できます。

レイスグループの場合

レイスグループの1人あたり営業利益は1363万円です(営業利益275億円 ÷ 正社員2,018名)。日経225構成銘柄の中央値(576万円)の約2.4倍、上場企業全体の中央値(270万円)の約5倍にあたります。

レイスグループ

1363万円

日経225の中央値

576万円

上場企業全体の中央値

270万円

正社員の平均年齢は29.7歳です。平均年齢の中央値は、日経225構成銘柄が42.5歳、上場企業全体が41.6歳で、いずれと比較しても当社は12~13歳若く、20代が中心の組織で、この1人あたり利益を生み出しています。

※日経225構成銘柄は、営業利益と従業員数を確認できた192社の中央値、上場企業全体は、同じく確認できた3,492社の中央値です。従業員数は有価証券報告書の連結の従業員数で、臨時従業員は含みません。各社の直近の通期決算の数値です。
※平均年齢は、有価証券報告書に記載された提出会社(単体)の平均年齢で、確認できた日経225構成銘柄191社、上場企業全体3,184社の中央値です。

事業別では、次のとおりです。

事業1人あたり営業利益平均年齢
スカウト・ヘッドハンティング事業2243万円31.1歳
経営顧問事業1736万円28.3歳
新卒採用コンサルティング事業1725万円31.5歳
ECソリューション事業1714万円29.4歳
組織改善コンサルティング事業1331万円32.5歳
Webソリューション事業897万円31.0歳
インナーコミュニケーション活性化支援事業721万円27.7歳
ビジネスプロセス最適化事業715万円28.3歳

※正社員数は、事業に専従する社員に、管理部門238名を専従社員数の比率で配分して加えたものです。臨時従業員(契約社員・派遣社員・パート等)は含みません。平均年齢は、専従する社員と配分した管理部門の社員の平均年齢を、人数で加重平均したものです(2026年9月期末時点)。

事業別の内訳と、上場企業との比較を見る(数値の詳細)

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レイスグループの数値の出所:採用サイト「数字でみるレイスグループ」「数値の詳細」、および2026年9月期の実績。
企業間で数値を比較する際には、対象年度、単体・連結の算定範囲、算定方法、出典をそろえて確認する必要があります。