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前職 大手教育・生活事業会社
創業時から順調に成長を続けてきたレイスグループの転換点となったのは、2009年。“未曾有の大不況”とも形容されたリーマンショックの影響を受け、多くの企業が新卒採用の見送りを余儀なくされました。当時、新卒採用支援を唯一の事業としていた当社は、創業以来初の減収減益に陥りました。「既存事業以外に、新しい事業の柱を創り出さねばならない」。役員や部長陣が集結し、新規事業立ち上げに向けて、繰り広げられた議論を昨日のことのように覚えています。
ちなみに、私たちが事業を立ち上げる際に考えることは大きく2つあります。1つは、当然のことながら「事業として成立するかどうか、すなわち利益を生み出せる事業かどうか」の見極めです。あらゆる項目を数値化してシミュレーションを重ね、収益性のある事業か否かを繰り返し見直します。もう1つは、「私たち自身の胸が高鳴るような事業かどうか」です。世の中にまだ存在していない事業や、世間が思わずうなるような事業など。そのような「ロマンを感じる事業であるか」も重要な要素です。これら2つが揃った時、私たちは事業の立ち上げを決断します。
リーマンショックという未曾有の危機を受け、連日議論を重ねた末に産声を上げたのが、現在のレイスグループの基幹事業の一つである「経営顧問事業」でした。そして、私はその立ち上げ責任者という大役を、26歳で任されることになったのです。
「経営顧問事業」とは、上場企業の役員・部長経験者の豊富な人脈や知見を活用し、中小・ベンチャー企業の業績向上を支援する事業です。労働力不足が叫ばれる中、こうした方々がこれまでに培ってきた卓越した技術や広範な知識を活かさない手はないと考えました。
今でこそ事業として確立され、様々なメディアで特集されている「経営顧問事業」。しかし、当社がこの事業に着手した頃は、「シニア人材の活用」というのは前例のない取り組みで、顧客からすぐに理解を得ることは困難でした。さらに、責任者の私をはじめ組織の大半が20代の社員。紹介する顧問の方々は優秀でも私たちの提案が稚拙で、返ってくるのは厳しいご意見ばかり...。ほとんどの企業とは契約に至らない日々が続きました。
当時の私は、キャリア採用でレイスグループに入社して3年が経過した頃でした。既存事業においては常に全社で5本の指に入る実績を残していただけに、このような経験は初めてのことでした。多少高をくくっていたのかもしれません。思いもよらない苦戦に愕然としたことを記憶しています。
商談を重ねていくうちに、「経営顧問事業」の肝は、顧問の知見や人脈を活用したうえで、目に見える成果をいかにしてイメージしてもらえるか、だと感じるようになりました。経営顧問が、何を実行し、どのように解決に導き、業績にどれほどの好影響を及ぼすのか…。
私は、提案プロセスの全面見直しに取り掛かりました。企画書を幾度となく修正し、顧客から見たときに曖昧に感じられる工程の具体化を進めたのです。加えて、顧問活動事例集を作り上げ、業界、企業規模、エリアごとに、どのように経営顧問の知見や人脈を活用できるのか、具体的な未来像を描けるように工夫を施しました。例えば、工場を保有する企業の場合、『生産管理に定評のある「トヨタ」にて工場長を務めていた方とともに、工員や機械の稼働ロスを○%改良し、営業利益率を○ポイント改善しましょう』と定量的に示すようにしました。すると、現場の提案に具体性が増すにつれ、じわじわと顧客が増え始めました。
定年を迎えられたエグゼクティブシニアのセカンドキャリアとしても評判となり、プライム上場企業の元社長、メガバンクの元副頭取、誰もが知る有名商品の開発責任者など、驚くようなご経歴の顧問も参画してくださるようになりました。そうして、顧客の開拓は急速に成長を遂げていったのです。
このような艱難辛苦を乗り越え、今では登録顧問数は40,000名以上、取引社数は7,000社以上、国内最大規模の経営顧問事業となりました。新規事業の立ち上げに際し、私自身、事業設計の重要性を強く感じました。細部まで考え抜かれたビジネスモデルがあってこそ、自身の営業力を活かすことができている。そう認識できたことは、私にとって大きな教訓です。2020年には新規取引創出事業を立ち上げ、すでに200名以上の社員が参画する事業に成長させました。2024年10月には大手企業向けの「オープンイノベーション推進事業」を立ち上げ、事業の拡大にむけて邁進しています。
私自身、これからも新事業に挑み、今後は事業設計そのものも形作れるようなビジネスパーソンになりたいと考えています。そして、そのような挑戦をしたいと考えているメンバーにも、ぜひ同じような経験を積んでほしいと思います。若いうちから、ダイナミックに新しい事業に携わることができるのは、レイスグループの魅力の一つではないでしょうか。